ゆでガエルにならない為に
このままでこの業界は大丈夫かな?と感じる事が多々あります。
「ゆでガエル理論」で例えると、熱湯寸前の状態なのかもしれません。
設計業界が良くなるための方法を私なりに考えてみましたので紹介させていただきます。
改善できる問題について
1・成果物の質の低下
2・技術継承
の大きく2つが考えられます。
今回は「1」成果物の質の低下について考えてみます。
1成果物の質の低下について
建築設計における成果物とは、設計図や積算調書などを指しますが、これらの質の低下が指摘されています。
質の低下を指摘される原因として、図面・積算調書の不整合を指摘されるケースが多いです。
設計業務は、敷地図、配置図、平面図、立面図、断面図、建具や家具などの図面、機械設備図、電気設備図、構造図などなど多くの図面を作成します。
全ての図面が連動して設計図として機能しますが、不整合があります。
文字が異なる程度であれば、
図面を確認しながら「これは誤記かな?」などの判断がつきますが、
図面それぞれで異なる場合は、照合作業に多くの時間を割くことになります。
それが原因の一つとなり、本来すべき監督業の時間を割く事になってしまいます。
これは全くの無駄な時間であって、納品前に整理されていなければなりません。
お施主様にとって、全くの不利益です。改善しなければなりません。
なぜそのようなことがおきるのか?(原因の考察)
このような事が起きる原因として、人材の不足が考えられます。
人材の不足といっても、設計スタッフが不足しているということではありません。
設計技術があるスタッフが少なくなっているということです。
年々設計事務所の業務報酬は減ってきているように感じます。
スタッフを抱える事務所は、一定量の仕事を確保しないと事務所を維持する事ができません。
一件あたりの報酬が減るにも関わらず仕事量は増えるので、
どうしても技術が足りないスタッフにも業務をさせざるをおえない状況ができます。
そして、欠陥のある図面が、チェックをされる事なく納品・発注されます。
これを私は「負のループ」と呼んでいます。
このままでは、設計事務所がよくなるはずがありません。
ますます設計従事者の賃金が下がり建築士の立場も低くなっていくことでしょう。
解決法について考える
業務報酬の単価を上げようにも建設需要が減る昨今、従来のビジネスモデルでは、現況から脱却することは困難かもしれません。
新しい価値を生み出す為の方向性を模索する為に、時間的余裕がキーワードになると考えています。
時間を確保するために
機械に任せられることは機械に任せる
BIMを利用すれば、図面間の不整合は防げます。
また、コンピューターに不整合を検証させることで図面チェックの時間を短縮できます。
(まだ、実用化されているソフトはありませんが実現可能のようです。)
技術や経験の共有
これは、「2 技術の継承」にもつながりますが、長年で培った技術が次の世代に受け継がれないという問題です。
さいごに
設計業界を発展させるためには、少しずつ修正していかなければなりません。
私たちの世代が、先輩方が築いてきた建築業界を次の世代へ引き継ぐための重要なポジションにいるのかもしれません。
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最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人 「まるたか」
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★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設
退職〜開業までの記録を綴った「起業の記録シリーズ」 を公開中。
「まるたかのブログ」にて実務以外の情報を発信中。
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