ゆでガエルにならないために(その2)
建築設計業界について考える「その2」です。
設計業界で感じる問題点
- 成果物の質の低下
- 技術の継承 ←今回はこれを考えます。
技術の継承について
職人の技術継承がうまくいっていないことは、NHKの特番で放送されるようにある程度知られれいると思います。
これは、設計業界でも同様です。
設計の仕事をしていると、ミスや間違いはあります。
(無いように最大限注意するのですが)
一度間違えた人は、同じ間違いを起こしません。
次回の案件では、その時の経験を生かして工夫します。
経験年数が多い設計者の方が良い設計をする根拠はここにあります。
獅子の子落としは正しいか?
ミスや間違いが見つかった時、方向性を修正するために設計や進行の面、
工事費の面で様々な工夫をして乗り越えます。
その過程は、その人独自のノウハウとなり、独自性になると考えます。
比較的年配の技術者の方は、「獅子の子落とし」スタイルで新人を教育する傾向があると感じます。
自分で失敗を乗り越えろ!
仕事は目で盗め!
というものです。
私自身は、この教育方法で育てられたと思います。
設計の仕事をしていると、初めて目の当たりにする事が多いです。
その度に徹底的にそれを調べて、検討してそれが最適であるか?
他にもっと良い方法が無いか?
ということを「考える」事が習慣化しています。
しかしながら、人には様々な性格や仕事に対する考え方が異なります。
人によっては、「わからないまま図面を書いてしまう」こともあります。
これでは、「その1」で取り上げた「質の低下」につながります。
設計に従事できる年数は、30年程度です。
同じような経験をさせていては、同じ経験をさせている技術者を増やすだけで、
それ以上の発展がないのでは?と最近感じるようになりました。
先輩方の過去の失敗を学び(インストール)し、同じ間違いをしないことはできます。そしてその動きを続けていく事が、仕事のアップデートであると感じます。
- 医療業界でいうカンファレンスを導入する。
- 失敗レポートを作成し社員で共有
- 削減した間違い対応の時間を削減して、別なことに時間を使う。勉強とか。
(社内SNSが充実している昨今では、容易にできると思います。)
(「考える事」は、設計者にとって絶対に必要な事です。)
IT業界のように技術を開いた方が良い?
業界全体が縮小する事が予想される昨今、
もっと情報を開いた方が良いのでは無いかと考えています。
それは、それぞれのノウハウを業界的に共有して、建設業界の技術のさらなる底上げを目指すという考え方です。
IT業界では、オープンソースという考え方が普通であると知人に聞きました。
その技術を使ってさらに便利なアプリやソフトが生まれたりと、IT業界の技術革新が目覚ましいのは、これが要因となっていると感じます。
堀江貴文さんの、「新しい技術やノウハウは、過去の技術の工夫であって、完全なオリジナルはない。」という言葉が、私の中に響いています。
いろいろなアイデアを持つ方々が、どんどん発信する事で、業界全体がさらに発展していくことを私は望みます。
2018年6月22日 追記
高度成長期の「建設ラッシュ」に建てられた建物が、
老朽化する年代がやってきます。
今後訪れる「解体ラッシュ」について書いた記事です。
今後、 解体設計の案件が確実に増えます。
要チェックです!!
建築士向けの情報サイトを作ってみよう!
これらのような諸問題の解決法を検証するために、ブログを運営しています。
↓↓「まるたか」についてはこちらをご覧下さい。↓↓
このブログについて 建築士の挑戦 - 建築士 まるたかのブログ .com
いずれは、
・技術情報があったり、納まり図集があったり。
・失敗例や工夫するノウハウの情報交換ができる。
を盛り込んだ情報サイトの立ち上げを計画しています。
私たちの下の世代が活躍できるように。
建築士の未来がもっと明るくなるように。
一緒に頑張りましょう!!
★☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人 「まるたか」
↓「まるたか」について詳しくはこちらをご覧下さい。
★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設
退職〜開業までの記録を綴った「起業の記録シリーズ」 を公開中。
「まるたかのブログ」にて実務以外の情報を発信中。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしていますのでフォローをお願いします。