職人から転職するとどうなる? 配管工から建築士へ
こんにちは「まるたか」です。
今回は、自分の転職歴・これまでの経歴についてまとめてみました。
私の経歴
私は、
「配管工」〜「設備施工管理」〜「建築士」
といった職を経て現在に至っています。
建築学科を卒業しておらず、まして現場作業員出身の建築士は珍しいようです。
建築士になることを決意した時は、
おじさんから
「現場上がりの建築士なんて見たことない!無理だ!」と言われました。
副業、転職などをお考えの方も多いと思いますので、大した経歴ではありませんが、
少しでも私の経験が参考になれば嬉しいと思い記事にすることにしました。
結論から話しますと
自分の判断は間違っていなかったと感じています。
まずは、これまでの経緯をご覧下さい。
これまでの経歴を振り返る
【1】大学卒業〜職人時代(23〜25歳)
大学
日本大学機械工学科卒業後、
地元茨城県の冷凍冷蔵設備会社の配管工から、私のキャリアは始まりました。
大学では、熱機関を専攻していました。
機械工学科を選んだ理由は、ただ単にバイクや車いじりが好きだから機械工学科に進んだという単純な動機です。
職人時代
月給:18〜23万(手取・残業代含む)
配管工として、現場作業をしていました。
デスクワークよりも、体を動かす仕事の方が性に合っていると考えたことがきっかけです。
関東圏内を中心に動いていて食品工場やスーパーマーケットの現場が多かったです。
入社当初は、材料の準備、後片付け、運転、搬入作業がほとんどでした。
半年ほど経ってから、配管の溶接作業をさせてもらっていました。
食品を扱う仕事であったので、土日や昼夜も関係なく現場にいました。
天井裏でクリスマスや大晦日を越すことは、この業界ではあるあるネタかもしれません。
現場作業は好きでしたし、何より職人さんの気質や雰囲気が自分に合っていました。
今振り返っても、人に恵まれた環境で働いていたと思います。
現場作業の難しさや大変さ、何より建物がこのような多くの作業員のおかげで成り立っていることを、身をもって経験できたことは貴重な経験でした。
【2】施工管理・設備設計時代(25〜28歳)
月給:20〜25万円(手取・残業代含む)
職人時代に、先輩の代わりに職長会議に出たり施工図読みをしたきっかけから、
施工管理に移っていきました。
施工管理とは、簡単にいうと現場のマネジメントの仕事です。
設計図から施工図作成
現場作業員の手配・予算管理
材料の手配・予算管理
他業種の職長との工程調整・打合せ など
この頃は、職人時代よりも多くの人達と関わっていました。
(配管工、電工、重量とび、断熱パネル工、断熱工、大工などなど)
その分神経を使うことが増えましたが、より多くの仕事を知ることができたし、広い視野で建築に携わる立場になりました。
現場の範囲も広くなりまして、北関東圏から東北や甲信越地方などの現場にもいかせて頂きました。
一番覚えている現場は、気仙沼のフカヒレ工場です。
(サメの匂いは強烈・・・)
この頃から、クリーンルーム等の設計を任せて頂けるようになりまして、
自分で設計した現場を自分で管理する機会も増えてきました。
自分の設計が実際の現場で成り立つのか?
不具合があった場合は、どこが悪かったのか?
どう修正すれば良いか?
どこを改善すればさらに良くなるか?
仕事量が多く大変な日々でしたが、今思えばこのようなPDCAを日々回していた時でした。この頃の成長はすごかったと思います。
建築士を志した理由
【理由1】建築士がカッコよかった
施工管理として、某スーパーゼネコンの食品工場建設現場に入っていた時の頃です。
私は、サブコン(大手の設備会社)の下請けとして現場に携わっておりました。
定例会議に参加した時に出会った建築士さんが、とにかくカッコよかった。
現場を全て把握していて、難しい質疑に対して的確に回答を出している。
なんて建築士ってカッコいいんだ!!!
自分も建築士になりたいと思うようになりました。
【理由2】設備計画が意匠計画によって変更となる疑問
設計の流れとして、まず意匠の計画から始まります。
建築設計がプランを設計し、その図面をもとに設備設計を行います。
冷蔵冷凍設備は、建物の断熱性能や配置、前室の有無で必要な能力・規模が変わります。
当時は設備を意識しない意匠設計も少なくなくて、
「こうしたら室外機の容量が少なくなるのに・・」
「ここに前室をつけた方が、温度変化が少なくなるから省エネになるのに・・」
など、設備設計の立場ではどうしようもない壁があるのだなーと感じました。
建築士を志したときの周りの反応
建築士になることについて、周りに相談したところ
「意匠設計は食えない。」
「配管工から建築士になった前例はない!」
「建築学科を出ていない奴は無理!働けない!」
周りからは大反対されました。
でもどうしても建築士になりたかったので、
在職中に2級建築士を取得し、建築設計事務所へ転職しました。
当時、私の決断に賛成し応援してくれた妻にも本当に感謝しています。
【3】建築士事務所時代(28〜現在)
月給:18〜24万円(手取・残業代含む)
今までとは違う世界で、入社当初は大変でした。
最初の仕事は、設計の補助です。
図面をトレースしたり、積算用の見積書を手配したり、現場調査が主な仕事でした。
初めて使ったJW-CADの使い方がなれずに、トレースするにもすごい時間がかかってしまい、夜う遅くまで作業していることもしばしばでした。
建築基準法にも戸惑いました。
そんな時に助けてくれたのが、次の書籍です。
図解でわかりやすくまとめられています。
建築指導課の方も使用している本です。
手放せません。
それから少しずつ、改修工事の一部の図面をかいたり、
住宅計画をしたり、設備設計として電気設備や給排水の図面もかきました。
現場の監理にも同行させて頂きまして、施工状況の確認・検査や諸官庁申請も任されました。
今では、マスタープラン作成から設計に携わり現場監理まで担当しています。
これまでの現場の経験があるせいか、現場とのやりとりは得意です。
(一般的に現場対応が苦手な建築士が多いようです。色々な監督さんがいます。)
施工管理の頃から、色々な立場や色々な性格の監督さんと仕事をしてきたので、
「この人はこのタイプだな〜。この分野は苦手だろうから、最初から注意しておこう。」
などの対応が取りやすいです。
反対を押しのけて建築士になった時の周りの反応
建築士を志した当時は、
「絶対無理だ!!やめた方がいい!!」
と周りから否定されていましたが、無事にここまでやってこれています。
施工管理では分からなかったことを含めて経験できているので、転職は間違い無かったと確信しています。
実際に建築家の王道を歩んでこなくとも
唯一無二の立場を確率し国内外で活躍されている「谷尻誠」さんの例もあります。
自分次第で何にでもなれるのかもしれません。
ここまでの経歴を振り返り思うこと
これまでの経験から思うこと
私のこれまでの経験から学んだことをまとめました。
1・人生に無駄なことは無い。(色々な経験が必ずいきる。)
2・人の助言を鵜呑みにしてはいけない。
自分の意思を優先し、やってみたいことをできてよかった。
3・絶対になんとかなる。(なんとかするような対応力必要)
4・環境が自分を変える。
5・人付き合いが一番重要。
偉そうに自分の経歴をまとめましたが、私は本当に何も無い人間だと思っています。
これまでの人生は、人に恵まれました。
本当に人に助けられながら生きてこれたと思っています。
これからのこと
建築士事務所に働き約6年半ほど経ちまして、現在新たなステージとして
起業に向けて準備をしています。
2018年10月に建築事務所開業しました。
職人出身の建築士が起業して、今後どうなってゆくのか?
客観的にみて面白そうなので、起業に向けた過程を発信しています。
お時間があれば、こちらもご覧ください。
★☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人 「まるたか」
↓「まるたか」について詳しくはこちらをご覧下さい。
★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設
退職〜開業までの記録を綴った「起業の記録シリーズ」 を公開中。
「まるたかのブログ」にて実務以外の情報を発信中。
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