マイホームを計画されている皆様に向けて、
現役建築士がお送りする「理想の家づくりシリーズ」から、かっこいい建築材料を紹介させて頂きます。
神は細部に宿る
この言葉を耳にしたことがあると思いますが、
その文字の通り、小さな細かい部分にこそこだわりが出ますし、一味違う雰囲気を醸し出す重要な部分です。
また、ある意味で細かな部分まで気を使えるこそ全体の完成度も上がると私は思います。
今回取り上げるのは、換気設備の必須アイテムである『ベンドキャップ』です。
ベンドキャップとは??
ベンドキャップとは、ダクトの外壁貫通部に設置する換気部材です。
給気口や排気口の保護、外観上の見た目、そして雨仕舞い等の役割があり、
どの家にも漏れなく100%設置されています。
大手メーカーである三菱(MITSUBISHI)はじめ、数多くのメーカーから発売されていて、形も様々です。
よく見られるのは、丸型と呼ばれるこんなカタチ↓↓
住宅から商業施設など、あらゆる建築物でみることができますね。
今回は、建築物に必須アイテムである「ベンドキャップ」から、
有名建築家も御用達の一風変わった「ベンドキャップ」を紹介させて頂きます。
【注意】
必ず「雨仕舞い」「系統の換気風量」などを建築士と検討の上採用して下さい。
周りと差がつくこだわり「ベンドキャップ」
それでは、オススメの”ベンドキャップ”を3種類ほど紹介させて頂きます。
その1(基本型)|迷ったら迷わずこれ!「深型フード/MITSUBISHI」
まずは、最もベーシックなこちらです。
ベンドキャップの重要な役割である「雨仕舞い」の信頼性から、最も採用されているタイプであると思います。
ここがポイント!|雨仕舞いに強い理由は深いフード
雨仕舞いに強い理由は、深型フードにあります。
実は、風雨が吹き上がる条件下ではフードから雨が侵入することがあります。
↓↓ 詳細はこちらの記事!
深いフードによって、吹上による漏水のリスクを軽減しているのです。
ここがポイント!|流通量多い! 価格もリーズナブル!
大手メーカーから発売されていることもあり、流通量も多く価格も安いです。
(防火ダンパー付きの製品もあるので、幅広い建物に使用することが可能です。)
また、特注で指定色にすることもできるので、外壁に馴染ませて目立たなくすることもできます。
(雨垂れ防止のツバが付いているのもポイント)
その2|屋外スリムタイプ/キョウワナスタ
【メーカーHP→https://www.nasta.co.jp/product/outdoor-ventilation/019.html】
KS-8820SH〜KS-8620SHD
キョウワナスタから発売されている、超薄型のベンドキャップです。
他に類をみない脅威の薄さです。
ここがポイント|壁と一体的にみせられる!
外壁についている様子を見ると、非常にスッキリとした印象を受けます。
丸型や砲弾型の比べて、壁と一体となっている印象を受けます。
無塗装品もあり、指定色に塗装することも可能です。
ダクト径はφ100・150があり、住宅、小規模な施設まで対応できます。
しかし、
こちらは自然給気口用なので局所換気扇へは使用できません。
局所換気扇へ使う場合は下のタイプとする必要があります。
KS-8820SHE〜KS-8620SHED
上で紹介させて頂いたタイプよりも少し深い仕様となっています。
少し高さは高くなりますが、スッキリとした印象は変わりません。
給気口と統一させれば、意匠状の問題は特になさそうです。
愛用している建築家が多いのも納得です。
モダンで無機質な意匠の建物や、ベンドキャップの存在を消したい場合にぴったりだと思います。
その3|VB-FHUG100S2/panasonic
【メーカーHP→http://pesesv.panasonic.co.jp/CGI/products/product.cgi?cd=011105】
Panasonicから発売されてるベンドキャップです。
ここがポイント|壁に柔らかく馴染む!
丸型はよく見られる形です。
しかし、「薄さ」「シンプルなデザイン」によって存在感を消す工夫がされています。
全方向に蓋が無いタイプもありますが、
雨水の進入の観点から、上部にカバーが付いているタイプをオススメします。
意匠性だけでなく、ベンドキャップの大切な役割である気流(圧力損失)についても考慮されている点も見逃せません。
以上が、こだわり派の皆様にオススメしたい「ベンドキャップ」の紹介でした。
ここからは、ダクト工事で気おつけて確認して頂きたいポイントについて少しだけお話したいと思います。
最初の方でも少し紹介しましたが、
実は、「ベンドキャップ」が漏水の原因となることがあるのです。
外壁貫通部の施工はここに注意!
雨漏れの原因箇所として以外に多いのが、今回紹介させて頂いた『ベンドキャップ』です。
通常時は全く問題ないのですが、
ある一定条件が揃うと簡単に雨漏れしてしまう可能性があります。
(実際にベンドキャップが原因で雨漏れしてしまった物件を見たことがあります。)
工事の際に、
少しだけ気を使って工事すれば、雨漏れすることはほぼありません。
↓こちらの記事で、工事のポイントを紹介していますのでご覧下さい。
まとめ
今回は、建物に欠かせない「ベンドキャップ」の紹介と、ベンドキャップからの漏水を防ぐ方法について紹介させて頂きました。
一生に一度の大切なマイホームです。
是非、納得のいく理想のマイホームを手に入れて下さい。
次回もよろしくお願いします。m(_ _)m
★☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人 「まるたか」
↓「まるたか」について詳しくはこちらをご覧下さい。
★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務については、『ARCHITECTURE ARCHIVE 〜建築 知のインフラ~』にて情報発信中。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。