この記事は、家具(事務什器)のDIY記録です。
なかなか思い通りの 家具が見つからない方や、これから家具を自作したい方に参考になれば嬉しいです。
家具のコンセプト
自作にあたってのコンセプトは大きく”2つ”です。
1)費用を抑える
→構造用合板や集成材等の普及品を使用する
2)木材の素地を出し、『無印商品』のような感じに
→塗装をせず費用をおさえる。
自己流ではありますが「作り方」「使用工具」「注意ポイント」等を紹介させて頂きます。
(自宅の作業場だけでなく、住宅の収納家具、小規模のオフィスまで対応できると思います。)
ご興味がある方は是非ご覧下さい。
1|自作品と既成品の違いを確認する
まずは、家具を用意する目的を整理してみましょう。
条件によっては、自作よりも既製家具を使用したほうが良い場合もあります。
家具・事務什器を自作するメリット・デメリット
自作するメリット
1)値段が安い。
2)寸法が自由。
3)作っていて楽しい・愛着がわく。
自作するデメリット
1)作成の時間(手間)がかかる。
2)既成家具のような精度を出しにくい
3)不要になったら売却できる
自作の最大のメリットは「費用」「寸法(サイズ)」
同サイズの既成家具よりも自作の方が1/2~1/3程度に費用を抑えることができます。
また、必要な寸法を自分で決められるので自由度が限りなく高いです。
自作のデメリットは「時間」「意匠性」
しかし、自作するにはけっこうな時間が必要となります。
私が今回作成したのは、
1)デスク
2)デスク上書類棚
3)書類棚
4)プリンター棚兼収納棚
の4点ですが、材料準備をふくめて2日かかりました。
まとまった時間をとるのが難しい場合は、既成品の組立家具を組み合わせた方が良い場合もあります。
また、自作では既成品のような精度を出すのは難しい。
(器用な方は別ですが・・・・)
私が事務什器を自作することになった経緯
自宅(一軒家)の使っていない一室を有効活用したい!
という相談を頂いたのがきっかけです。
検討の結果、その部屋を私の運営する建築設計事務所の作業場として借用させて頂くことにななったのです。
約3割のスペースが物置である今の住宅事情
新築当初は書斎として作られた部屋だそうですが、
ご主人が亡くなってからは長期間使われてこなかった一室で、万年物置となっていたそうです。
調査結果によると子供が巣立った後の一軒家は、
約3割のスペースが物置化しているというデータがあります。
晩年の住宅は、有効活用されていないのが実情を
この取り組みが、住宅の抱える問題を解決するきっかけになれば嬉しいです。
2|設置場所の採寸
つづいて、設置する場所を採寸をしていきましょう。
私が計画する部屋はこんな感じです。
木造の枠組工法で建てられた住宅の、玄関わきの一室です。
南北に細長い部屋なので、デスクと書類棚のみを配置するプランで、2人分の作業スペースを確保しました。
本社はつくば市にあるので、笠間では作業のみを行えるスペースです。
改修後のイメージ図
改修後イメージ図がこちらです。
床と天井の材料を合わせて空間のアクセントにします。
どうしてもカタログや書類が多くなるので、棚の収納量を大きく確保する計画です。
3|家具の設計図作成
続いて、プランを元に家具の設計図を書いていきます。
材料は、構造用合板(t12)をベースに考えました。
サイズは最も流通している3×6板(910mm×1820mm)としました。
どこのホームセンターで購入できますし、値段も1,100円/枚前後で安価です。
ポイント|木材のカットはホームセンターの加工場で!
木材のカットは、ホームセンターに併設されている加工場を利用するのがオススメです。
自分で加工するより精度が高いですし、なにより早いです。
(店によって異なりますが、1カット50円程度です。)
作成した棚の図面がこちらです。
1|書類収納棚
針葉樹構造用合板(t12)のみで構成しています。
棚板を縦横共に同一とした格子のようなデザインとして、スッキリさせました。
【ここがポイント】
上下左右の端部はビス止めし、棚板の下側はダボで止めています。
それによって、棚板を同位置にすることができます。
2|デスク・デスク上書類棚
【ココがポイント1】
デスクの脚部は、既存のデスクを再利用しました。
既存のデスクに天板として集成材(t18)をのせています。
全長約2700mmなので、とても存在感があります。
字を書く機会もあるので、
天板には構造用合板よりも表面が滑らかで見た目も美しい「集成材」を使用しています。
【ココがポイント2】
高さ100mm程度のモニター棚を計画しました。
高さも丁度良くなるし、キーボードやマウス等の小物も棚下に収納できるので、
機能性もばっちりです。
デスク、書類棚共に、上部は物置スペースです。
ダンボールの中に、あまり使わない資料や建材サンプルが入っています。
同じダンボールを収納箱として使うことで、統一感がでてスッキリみえます。
今回は、木目に色合いがにている「クラフト」としましたが、白とか色付きのダンボールも良いと思います。
【ココがポイント3】
収納棚の荷重を受ける梁にもなっている「1×4材」の裏に『デスクライト』を仕込んでいます。
照明といっても、トラフ型の1,000円程度の安価な蛍光灯器具です。
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手元が明るくなるし、間接照明の効果もあって部屋の雰囲気も良くなります。
お金に余裕があれば、LED型を選んでも良いですね!
配線方法は、後程ブログ記事にて紹介させて頂きます。
3|プリンター棚兼収納棚
プリンター等の重量があるものを載せるので、
柱・梁となる部分を「2×4材」で、天板は「構造用合板(t12)」を使いました。
棚の下段には、プリンター用紙や工具類を収納して、
机の脚との間のスペースに、製図板等の大きなものを収納しています。
4|組み立て時のポイント
図面通りに材料をカットできれば、あとは組み立てていくだけです。
その組立てにもポイントが2点あります。
組立て時のポイントその1|下穴をあける
よくあるのが、ビスが曲がってしまい、板から飛び出してしまうこと。
それを防ぐ方法が、下穴をあけておくことです。
少し手間はかかりますが、仕上がりに雲泥の差がでます。
組立て時のポイントその2|木製ダボを使う
棚板を同じにしようとすると、端部以外はビスが打てず固定できません。
このままでは、ブランブランになります。
それを解決してくれるのが「木製ダボ」です。
前もってダボ穴を空けて、その穴にボンドを充填した後にダボを差し込みます。
孔内の削りカスを取り除くことも忘れずに!
5|使用材料・工具まとめ
さいごに今回使用した材料と工具を紹介させて頂きます。
表記した価格は、地元のホームセンターで購入したものなので参考として下さい。
(Amazonで買えばもっと安くできたかもしれないので、Amazonのリンクも貼っておきます・・・)
使用工具類
1|電動ドライバー(Bosch 18V)/¥10,000
トルクがある工具を使うと非常に楽です。
BLACK+DECKERの『マルチツールシリーズ』も良さそうです。
アタッチメントを交換することで、複数の工具を一台で使用することができます。
(本当はこれが欲しかった・・)
ブラックアンドデッカー(BLACK+DECKER) マルチツール プラス 18V EVO183P1
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日曜大工で使う全ての工具を網羅しています。
2|龍靭ビット /¥368
アネックス(ANEX) 龍靭ビットセット 両頭 ARTM5-01
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付属のビットよりも先端が欠けにくいのでオススメです。
3|かねじゃく(元々所有していたものを使用)
シンワ測定 曲尺 平ぴた 表裏同目 シルバー 50cm 10032
- 出版社/メーカー: シンワ測定(Shinwa Sokutei)
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4|鉛筆/¥248
鉛筆でも全く問題ありません。
5|木工キリ(3mm - 下穴用/¥598)(6mm - ダボ用/¥513)
私は単品で購入しましたが、 セット品が良かったかもしれないです。
リリーフ(RELIFE) 六角軸ドリル 木工・樹脂用ドリル刃 10本組 26808
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軸が「六角型」と「丸型」があるので注意です。
6|木槌(元々所有していたものを使用)
ダボを打ち込む時に使用します。
使用資材
1|ビス(3.3mm×30mm)/¥398
水上金属 木ビス ステンレス(SUS410)スマートビス(フレキ付)化粧箱入 3.3×45mm(200本入)
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2|コーススレッド(65mm)/¥980
3|木製ダボ(6mm×30mm)/¥198
5|木工ボンド(元々所有していたものを使用)
使用木材
1|針葉樹構造用合板(t12×910×1820)/¥1,098ー8枚
2|針葉樹構造用合板(t 9×910×2730)/¥1,800ー1枚
3|パイン集成材(t18×910×1820)/¥2,980ー2枚
同じパインの集成材でも「節があるタイプ」と「節が無いタイプ」があります。
節が無い方が少し高いですが、とても綺麗です。
4|1×4(3048mm)/¥440ー2本
木工事の定番中の定番の材料ですね。
5|2×4(1829mm)/¥408ー4本
木材加工代
1|計41カット/@¥50ー2,050円
茨城県のジョイフル本田でカットした価格です。
お店によって多少の金額差があると思います。
丸ノコを持っているかたは自分でカットすれば、費用は安く済みますね。
リョービ(RYOBI)はホームセンターで6,000円程度で購入できます。
リョービ(RYOBI) 丸ノコ MW-46A 610509A
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これから充電ドライバーも買う方であれば、BLACK+DECKERの『マルチツールシリーズ』も検討されてみてはいかがでしょうか。
アタッチメントを変えれば、丸ノコにもなります。
(正直これが欲しかったです・・・・・)
ブラックアンドデッカー(BLACK+DECKER) マルチツール プラス 18V EVO183P1
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合計金額
合計金額:33,593円(税込)
想定していた金額よりも安く抑えることができました!
やっぱり自作家具良いですね!!
さいごに
今回は、「楽しいDIYシリーズ」として、家具・事務什器を自作する方法について紹介させて頂きました。
なかなか思い通りの家具が見つからないときは、おもいきって自作することも検討されてはいかがでしょうか。
★☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人 「まるたか」
↓「まるたか」について詳しくはこちらをご覧下さい。
★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務については、『ARCHITECTURE ARCHIVE 〜建築 知のインフラ~』にて情報発信中。
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