マイホームは負債だ!
昨今、こんな言葉を良く耳にするようになりました。
「貧乏人は負債を買い、金持ちは資産を買う!」
「新築のマイホームは負債です!絶対に買わない方が良い!」
「マイホームを持つことはリスクです。」
多くの経済評論家や文化人が、このように発言しています。
本当にそうかな?
しかし、私の意見を含めてですが、
人の意見を鵜呑みにして決断することなく、「自分の判断で決断するべき」というのが私の見解です。
確かに、マイホームを持つことで資金の面で負担になることは確かです。
マイホームは「負債」と考えるのもわからないではありません。
しかし、建築設計の立場から考えると「新築マイホーム」にしかないメリットがあるります。
新築マイホームのメリット
1|温熱環境に配慮した計画ができる
2|耐震性の良い建物が計画ができる
中古物件でも改修工事によって向上させることは可能ですが、
この2点に関しては、費用・手間共に圧倒的に新築工事の方が計画しやすいです。
(賃貸物件は、改修はほぼ無理)
お金に替えられないもの
この2点は、住む方の健康・生死に関わる重要な要素です。
家族の命・健康はお金に替えることはできません。
経済専門家の視点からでは、見つけづらいポイントでしょう。
お金のことはもちろん大切ですが、もっと大切な”もの”を忘れているの気がします。
「耐震性能」「温熱性能」を備えた新築マイホームであれば、決して損する買い物ではない!
というのが私の持論です。
今回は、新築マイホームの価値について、
私なりの見解を解説させて頂きます。
今こそ「住宅の価値」について再確認する時ではないでしょうか。
- マイホームは負債だ!
- 本当にそうかな?
- お金に替えられないもの
- デメリット1|金銭的な制約
- デメリット2|資産価値
- デメリット3|簡単に住む場所を変えられない
- では新築マイホームのメリットとは?
- まとめ
- さいごに
まずは、多くの経済専門家の主張するデメリットについて確認します。
デメリット1|金銭的な制約
多くの場合、住宅ローンを組みます。
毎月の支払いが発生し、支払いができないと家が無くなります。
また、固定資産税や修繕費も必要になりますので、家が完した成後も資金が必要となります。
↓ 一般的な修繕スケジュール・修繕費をまとめた資料です。
家は老朽化します。
家を持つことで一生資金が必要となることは事実です。
ローン返済中は、一生お金を返し続ける必要があり
返済後も修繕費を用意しておく必要があるので、そうそう会社を辞めたり、転職できなくなる金銭的な制約が発生します。
デメリット2|資産価値
住宅は、新築時をピークに資産価値が減少します。
これが、マイホームが負債だと言われる一番の理由でしょう。
例えば、
購入時3000万円でも、売却時は1000万円になる等、家の価値が大きく目減りしてしまいます。
これが、マイホームが負債だと言われる一番の理由です。
デメリット3|簡単に住む場所を変えられない
賃貸の場合、簡単に引っ越しができますが、戸建ての場合そうではありません。
例えば、隣人トラブルがあっても我慢しなければならない状況になります。
これらは、多くの経済評論家から共通に主張されるマイホームのデメリットです。
では新築マイホームのメリットとは?
ここからは、私の持論です。
新築マイホームだからこそのメリットについて考えていこうと思います。
メリット1|温熱性能が高い家に住める
賃貸物件、既存住宅共に、一部を除き断熱性能は皆無と言って良いでしょう。
断熱性能を売りとした新築マンションやアパートの賃貸物件もありますが、
多くの場合、満足な断熱性能があるとは言い難い状況です。
実は、温熱環境と健康には密接な関係があり、「生死に関わる関係性」と言っても過言ではありません。
死亡事故の第一位は「住宅内」
死亡事故は、実は自宅での事故が一番高いのです。
全日本交通安全協会によれば、交通事故死亡者数は、
2015年には4,113人と公開されています。
それに対し家庭内での死亡者数は、
15,000人です。
以外にも、家庭内の死亡者の方が3倍も多いのです。
家庭内の死亡事故の一番の要因は「ヒートショック」です。
そして、「ヒートショック」を引き起こす要因は、家の中の温度差です。
温熱環境が良い家は、温度差を少なくすることが可能です。
温熱環境を向上させる要素は、
「断熱性能(窓、壁、屋根、床)」「気密性能」「パッシブデザイン(日射の遮蔽・取込)」と、複数ありますが、新築工事の方が圧倒的に計画しやすいです。
既存住宅を断熱改修することは可能ですが、
一部を壊して直すなどの工事が必要です。
特に重要な「気流止め」を施そうとすると、天井・壁を壊す必要があります。
多くの場合、余分な費用がかかりますし、構造上の限界があります。
メリット2|耐震性能が高い家に住める
こちらも断熱性能と同様ですが、
賃貸・既存ストック共に、構造上不十分なケースがあります。
下の表は、熊本地震での木造住宅の損傷比率です。
この表からわかるように、「新耐震基準」かつ「耐震等級3」は半壊以上の損害であり、住めない程の損傷でないのに対して、それ以外の家は倒壊している家があることが分かります。
つまり、耐震等級3以外の住宅は、熊本地震級の地震が起きた場合、
建物が倒壊する又は、住めない状況になる可能性があるということです。
建物の耐震性は、生死に関わる重要なポイントです。
もし、地震があった時に子供が中にいたとしたら・・・・・
これは、お金に替えることができないことではないでしょうか?
これが、私が住宅に耐震性が必須事項だと考える要因です。
↓ 「耐震等級3が必要だと考える理由」について詳しくはこちら
既存ストックでも耐震改修は可能ですが、大掛かりな工事が必要です。
新築の方が、耐震性能の設計がし易いです。
耐震性能の確保は、新築だからこそ計画しやすい項目です。
まとめ
新築マイホームのメリット
1)温熱性能に優れた家に住める
2)耐震性能に優れた家に住める
この2点さえ備えていれば、新築マイホームに価値はあると考えます。
逆に、これを備えていない新築マイホームは建てない方が良いと思います。
さいごに
今回は、新築マイホームのメリットについて考えてみました。
新築マイホームは条件を満たせば「負債」では無いと私は考えます。
お金には替えられない家族の命・生活を守ることができます。
「耐震性能」「断熱性能」が確保できることこそ、新築住宅の最大のメリットだと思います。
最近の情勢は、「家」の本当の目的を見失ってしまっているような気がします。
「家」は、お金では替えることができない「家族の命・健康」を守るための重要な役割を果たします。
マイホームを建てようとお考えの皆様を心から尊敬しますし、
設計者の立場として精一杯応援します。
マイホームは、決して「負債」なだけではありません。
理想のマイホームを手にいれて下さい。
★☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人 「まるたか」
↓「まるたか」について詳しくはこちらをご覧下さい。
★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設
退職〜開業までの記録を綴った「起業の記録シリーズ」 を公開中。
「まるたかのブログ」にて実務以外の情報を発信中。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしていますのでフォローをお願いします。