建築士の未来は明るい!? 建築士の未来を考える
少子高齢化や工事件数の減少など、暗いニュースが飛び交うの建築業界ですが
ふと思います。
本当にそうでしょうか??
私は、建築士の未来は明るい!と考えています。
とりわけ、若い建築士にとっては千載一遇の大チャンスがやってくると考えています。
(しかも建築士って合コンでモテるらしいし・・。)
これは、私の”意気込み”や”精神論的な考えでは無く、
関係省庁から発表されているデータから導いた答えです。
近い将来訪れる大チャンス
調べる前は、
「建築士に将来性は無いだろう~」
と、多くの方と同じく悲観的に考えていました。
しかし、今後10~30年の間に設計業界に変化をもたらす大きな3つの事象(タイミング)が重なります。
それは、これまでの歴史上誰も経験していないことです。
その3つの事象(タイミング)が重なる今だからこそ、大きなチャンスがあると私は考えています。
今回は「建築士の未来が明るい!」という根拠を一緒考えていきたいと思います。
建築士の未来が明るいと思う3つの事象(タイミング)
大きな3つのタイミングとは、ズバリ
1)建築士の年齢構成の変化するタイミング
2)既存建築物の老朽化するタイミング
3)仕事が変わるタイミング
です。
それでは、それぞれをみていきましょう。
【事象1】建築士の年代構成が変わるタイミング
今後、建築士の希少性は上がると考えています。
まずは、「建築士の登録者数」と「年齢分布」をご覧下さい。
建築士の登録者数
平成17年度末時点
一級建築士:322,248名
二級建築士:692,968名
木造建築士: 14,950名
一級建築士の年齢階層別登録数
20歳代 :約 2,000人
30歳代 :約 47,000人
40歳代 :約 66,000人
50歳代 :約101,000人
60歳以上:約106,000人
平均年齢 56.2歳
現在の一級建築士の年代分布は、
50歳代〜60歳代以上が全体の64%を占めています。
20歳代〜30歳代は全体の30%程度です。
つまり、あと10〜20年のうちに
一級建築士の2/3が60歳を越えることになります。
おのずと気力耐力ともに充実している20歳〜30歳代の稀少性が高くなることが予想されます。
少子高齢化は、希少性の面では追い風
日本全体が少子高齢化社会へと向かっており
「働く世代」の数が減るので、高齢者の社会保障はどうするのか??
なんて高齢者目線の話題ばかりが先行していますが、それを逆手に考えれば若者の希少価値は間違いなく上がります。
未来については、この本が面白いですよ!
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既に垣間見える未来
また、建築士に限らず多くの企業が技術者確保に動き出しています。
厚生労働省の発表によると、平成30年7月時点の有効求人倍率は、1.63倍です。
どの企業も人材を求めているのです。
一昔前は、就職氷河期と呼ばれる時代がありましたが、
まるで嘘のようですね。
キーワードは高齢化
高齢化は実は既に始まっていて、現在でも垣間見えることができます。
私は建築事務所を運営しております。(2018年10月開業)
有り難いことに、引き合いを頂き仕事をさせて頂くことができています。
でも、通常だったらそれなりの規模の事務所に依頼すると思いませんか?
(開業して直ぐに仕事が来るなんて稀。)
その理由について、依頼主に聞いたところ、
「今まで依頼していた方が高齢になって、今後付き合って行ける人を探していた。」
といった”高齢化”に関する理由が一番多いです。
この流れは、地方からますます強くなると思います。
【事象2】仕事が増えるタイミング
【社会的な要因で増える解体工事】
1960年代の高度経済成長に伴い、高層ビルや分譲マンション・学校・庁舎などの建設が相次ぎました。
これが「建設ラッシュ」です。
この「建設ラッシュ」に建てられた建物が老朽化する時代がまもなくやってきます。
平成24年に国土交通省から発表された「建設後50年以上経過する社会資本の割合」によると、解体対象となる物件が特に集中する年代は平成24年〜平成44年だそうです。
道路橋の例平成24年3月:約16%
平成34年3月:約40%
平成44年3月:約65%
このデータは、道路橋の割合を示すものですが、
同年代にラッシュをむかえた建築物についても同程度の割合と考えて差し支えないでしょう。
↓↓解体工事について検討した記事はコチラ↓↓
最近、もっぱら解体業関連の求人が多くみられる理由はここにあります。
解体工事にも設計が必要!
公共建設物の解体工事にも設計業務が必要です。
経験された方ならご存知だと思いますが、『解体設計』って結構大変です。
(委託費もなかなか高い)
解体する構造物、什器、設備を調査して、図面にして、積算するといった、新築設計と同じようなプロセスを辿ります。
解体設計には、さらに「既存建築との取り合い」が加わります。
この取り合いの計画が一番大変だと私は思います。
既存建築物との取り合いとは??
「既存建築物との取り合い」とは、
多くは、複数棟あるうちの1棟を解体する時に必要になるのですが、
・解体された後の建物が建築基準法に適合するか。
・既存不適格の訴求範囲はどうか
・配管、配線の盛替えは必要か。
・外構のプラン(駐車場、雨水)
等といった検討も必要です。
解体設計は、総合的な設計スキルが無いと難しい分野です。
「建築士が減るタイミング」と「解体案件等が増えるタイミング」が間もなく訪れます。
【事象3】仕事が変わるタイミング
建設業界の規模は、90年代の90兆円から縮小傾向にあります。
このデータだけを見ると仕事が無くなると考えるのが一般的でしょう。
しかし、世の中が変化する時に ” 仕事が変わる " ことは世の常であり、このデータだけでは判断できません。
1990年初頭の例
1990年代初頭の例を挙げますと、
これまでの移動手段が「馬」から「自動車」へ大きく変化した時代。
「馬の世話人」「馬具販売」などの仕事が一気に減りました。
しかし、それ以上に自動車関連の仕事が増えたという歴史があります。
このように、社会の変化(テクノロジーの発展)によって
「一部の仕事がなくなり新しい仕事が誕生すること」
「仕事が移り変わること」
は、歴史上正常な流れなのです。
建築設計で考えると、これまでの「新築設計案件」や「受注方法」から「違うなにか」に移り変わってゆくのでしょう。
さいごに
1・建築士の年齢構成が変わるタイミング!
2・今後解体物件が増えることタイミング!
3・仕事が変わるタイミング!
この3つのタイミングが重なり始める今こそ大チャンスだと私は考えています。
(次にこのビッグチャンスが訪れるのは、何百年後かな〜?もう来ないかも〜?)
今回の話は、あくまで私の仮説です。
私は、建築士の可能性を信じ、新しい建築士像を創造するべく事務所を運営しています。
この考えが正しいか否かは、これからの私の事務所の成長過程をみて頂ければと思います。
とにかく、今を一生懸命生きるのみです!!
今や伝説となっている先輩方も、同じように社会の変化に直面し、
私私達のように悩みながら生きてきたのだと思います。
生きた時代によって社会情勢は異なりますが、
「その時代と真正面に向き合い」「新たな挑戦をし続けて」
「自分の信じる道を歩んできた」のだと思います。
その先輩方から、
”今を悲観することなく今を精一杯生きること”
が大切だと教えられているように感じます。
私は「建築士の未来は超ーーーっ明るい」と考えています。
自分次第でどうにでもできるし、今後のチャンスを掴むのも自分次第でしょう。
建築設計に携わる人間として、皆様と一緒に建築業界を盛り上げていけたら嬉しい限りです。
2020年4月追記
2020年新型コロナによって、多くの方が不安な気持ちを抱えていると思います。
でも、
『 止まない雨はありません!!』
私自身は、
むしろ、物事を考え直すきっかけとなったと肯定的に捉えています。
こんな時こそ力を合わせて、
一緒に強く、そして楽しく生きていきましょう!!!
今後も弊ブログをよろしくお願い致しますm(_ _)m
★☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人 「まるたか」
↓「まるたか」について詳しくはこちらをご覧下さい。
★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士
バイク乗って波乗って建築やってます。 \インスタはこちらから/
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務については、『ARCHITECTURE ARCHIVE 〜建築 知のインフラ~』にて情報発信中。
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